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2024.01.30

ドローン免許の取得にかかる料金は?ドローンスクールの費用も紹介

2022年12月にドローンの国家資格制度が導入され、再びドローンの注目度が高まっています。

これまでは国土交通省認定の民間資格が複数あるのみで、ドローン操縦に関する免許はありませんでした。

国家資格化に伴い免許の取得にはどのくらいの費用がかかるのか、また既に民間資格を取得している場合無駄になってしまうのか、気になる人も多いと思います。

そこでこの記事では、国家資格となるドローン免許の取得にかかる料金や、民間資格を取得する場合の費用相場について具体的に例を挙げながら解説していきます。

この記事でわかること

・ドローンの国家資格取得料金
・ドローンの民間資格が取得できるスクールとその費用相場
・ドローンスクールに通うメリット
・ドローンスクールを選ぶポイント

▼ドローン国家資格の詳しい情報はこちら▼

ドローンの国家資格取得料金を解説

ドローンの国家資格取得料金を解説の画像

国家資格化に伴い免許の取得料金についても関心が集まり、多くのドローンスクールで受講費用が公開されています。

ドローンの国家資格取得にかかる費用は、取得する免許の種類やドローン飛行の経験の有無、各登録講習機関(ドローンスクール)によっても大きく異なります。

登録講習機関での講習費用の相場を以下の表にまとめました。

免許種別講習費用
一等免許(初学者)60万円~100万円
一等免許(経験者)20万円~40万円
二等免許(初学者)15万円~40万円
二等免許(経験者)7万円~25万円

ただし後述する国土交通省認定の民間資格を取得していると、試験費用の一部が免除される可能性があるのです。

これは既に発表されている試験内容でも、民間資格を取得した「経験者」と初めてドローンを学ぶ「初学者」で内容が異なっており、各ドローンスクールでも案内されているでしょう。

対象者 種類 学科 実地
初学者 1等 約18時間 基本:約50時間
目視外:約7時間
2等 約10時間 基本:約10時間
目視外:約2時間
経験者 1等 約9時間 基本:約10時間
目視外:約5時間
2等 約4時間 基本:約2時間
目視外:約1時間

上記のように、国家資格取得の際にも国土交通省認定の民間資格の有無が大きく関係していることが分かります。

そのため「ドローンが一般利用される前に資格を取得しておきたい」と考える人も多くいるのが実状です。

講習費用

上記の表で経験者と初学者の受講時間の差について解説しましたが、受講時間が短くなれば受講費用も安くなる傾向にあります。

ドローンスクールによって受講時間は異なりますが、最大で1/3以下の時間で受講できるようになります。

その分受講費用が安くなると言えるでしょう。

試験費用

技能証明を発行するには試験費用とは別に費用が必要になります。 

試験費用項目
  • 学科試験
  • 身体検査
  • 実地試験
  • 技能証明証の発行手数料

基本的には上記の項目で費用が発生します。

特殊な飛行方法として扱われる「夜間飛行」と「目視外飛行」は別途費用が発生するため、一つの資格では全ての飛行に対応していない事を把握しておきましょう。

「夜間飛行」と「目視外飛行」は基本的に2万円ずつかかると言われてます。

国土交通省の公式サイトでは2万円と表示されていますが、各ドローンスクールによって仕様が若干異なる場合もあります。

その他免許取得に必要な費用

一等技能証明を取得する場合、登録免許税の他に「新規申請」に3,000円かかり「再交付や更新、限定変更」には2,850円が必要になります。

項目名課税額
登録検査機関90,000円
一等無人航空機操縦士の技能証明3,000円
登録講習機関90,000円
登録更新講習機関90,000円

支払方法は国土交通省が管理する「DIPS」を利用して支払いをします。

支払方法
  • Pay-easy納付
  • 東京国税局麹町税務署に直接納付

納付に関しては認定された日から1か月以内に納付をしないと、未納付として扱われるので、注意しましょう。

ドローン操縦の資格が取得できるスクールと料金を解説

国家資格ではないものの、現在日本ではドローン操縦に関するさまざまな民間資格が取得できます。

基本的にこれらの民間資格やドローン操縦の技術を習得するには、ドローンスクールに通い教習を受けるのが一般的です。

しかし、現状国内には多くのドローンスクールがあり、各スクールにより取得できる民間資格も異なります。

そこでここからは、各ドローンスクールで取得可能な国土交通省認定資格の中から、下記4つの資格をその料金相場に触れながら解説していきます。

ドローン操縦に関する4つの国土交通省認定資格

・JUIDA「無人航空機操縦技能証明」

・DPA「ドローン操縦士回転翼3級」

・DJI「DJI CAMPスペシャリスト」

・DPCA「DRONEフライトオペレーター」

順番に詳しく解説していきます。

JUIDA「無人航空機操縦技能」

JUIDA 無人航空操縦技能の画像
出典:JUIDA

最初に紹介するのは、民間資格の中でも特に取得する人が多く、非常にメジャーなドローン資格の「無人航空機操縦技能」です。

「無人航空機操縦技能」の基本情報は以下の通りです。

管理団体一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)
コース費用相場約20万円~30万円
受講資格16歳以上
その他費用年会費:5,000円(準会員)
証明書発行費:22,000円
更新料:7,700円
有効期限2年

「無人航空機操縦技能」はドローン関連資格の管理団体の中で最も多くのスクールを管理している「一般社団法人日本UAS産業振興協議会」通称「JUIDA」が交付しています。

「無人航空機操縦技能」の取得は、全国に295校存在するJUIDA認定スクールにて取得可能です。

取得にかかる費用の相場は約20〜30万円ほどで、スクールにより若干料金が異なります。

スクールによっては「無人航空機操縦技能」に加え、その上位資格である「無人航空機安全運航管理者」まで一緒に取得できるコースを設けている場合もあり、その場合は25〜30万円ほどの費用がかかります。

無人航空機操縦技能の発行件数のグラフ
出典:JUIDA

上の表は「無人航空機操縦技能」と、その上位資格である「無人航空機安全運航管理者」の年ごとの取得者数の推移を表したグラフです。

このグラフでも分かるとおり、2022年7月現在で「無人航空機操縦技能」の取得者数は22,383人と、ドローン操縦の資格としては非常にメジャーな資格であることが分かります。

また、JUIDAは国土交通省航空局の要件を満たした管理団体ですので、証明証の保有者は航空局の無人航空機飛行申請手続きで必要な書式の提出が一部免除されます。

2022年12月以降にドローン免許の国家資格化が施行されますが、国家資格化された後も「JUIDAライセンス」を保有していれば、従来通り「国土交通省への飛行許可・承認」に使用することが可能です。

DPA「ドローン操縦士回転翼3級」

DPAドローン操縦士回転翼3級の画像
出典:DPA

「ドローン操縦士回転翼3級」は主にドローン操縦の初心者を対象に、2016年よりドローン操縦の民間資格として発足しました。

「ドローン操縦士回転翼3級」の基本情報は以下の通りです。

管理団体一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)
コース費用相場約25万円
受講資格15歳以上
その他費用技能認定料:25,000円
証明書発行費:12,000円
更新料:12,000円
有効期限2年

「ドローン操縦士回転翼3級」は一般社団法人ドローン操縦士協会、通称「DPA」が交付している認定資格です。

取得するには、DPAが認定する全国各地の各認定校にて講座を受講します。

その後①10時間以上の飛行経験と②実技・筆記試験の合格の2つをクリアすることで、DPA回転翼3級の申請が可能です。

受講費用は全国どのスクールで受講してもほとんど金額に差はなく、大体25万円前後となっています。

最短2日で資格を取得できることから、ドローン操縦の初心者やすぐにドローンの民間資格が欲しい方におすすめの資格です。

DJI「DJI CAMPスペシャリスト」

出典:DJI CAMP

「DJI CAMPスペシャリスト」はドローンの国内シェアNo.1のDJI JAPAN株式会社が認めるドローン操縦の民間資格です。

「DJI CAMPスペシャリスト」の基本情報は以下の通りです。

管理団体UTC(Unmanned Aerial System Training Center)
コース費用相場5.5〜11万円(税込)
受講資格飛行経験10時間以上
その他費用技能認定料:25,000円
認定書発行費:16,500円
更新料:再受験料として16,500円
有効期限2年

「DJI CAMPスペシャリスト」の管理団体であるUTCとは、世界最大手のドローンメーカーDJIが設立した、ドローンの産業パイロット養成・訓練期間です。

取得するには、全国の認定スクールにてDJI CAMPを受講する必要がありますが、参加するには10時間以上の飛行経験が必須となります。

そのためドローン操縦をしたことがないという初心者はそもそも受講できないため、あらかじめ他のスクールで操縦に慣れておく必要があります。

受講費用は各スクールによって多少差がありますが、大体5.5万円~11万円くらいと他の民間資格よりもお手頃な価格設定です。

これは受講対象を既に飛行技術のある人に絞っているので、それにより基礎的な部分を除けるためこのような価格設定となっています。

DPCA「DRONEフライトオペレーター操縦技能証明」

DPCAドローンフライトオペレーターの画像
出典:DPCA

「DRONEフライトオペレーター操縦技能証明」は、国土交通省航空局HP掲載の管理団体であるDPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会)が主催のドロ一ン操縦者教育講習会です。

「DRONEフライトオペレーター操縦技能証明」の基本情報は以下の通りです。

管理団体一般社団法人DPCA (ドローン撮影クリエイターズ協会)
コース費用相場BASICコース:55,000円
ADVANCEDコース:99,000円
受講資格16歳以上
その他費用技能認証発行費:16,500円
再検定費:11,000円
有効期限2年

運営するDPCAは2015年に発足した、ドローンによる撮影に関する事業を手掛ける団体です。

「DRONEフライトオペレーター操縦技能証明」はDPCAが運営するスクールのほか、DPCAのグループ法人のRUSEA(一般社団法人地域再生・防災ドローン利活用推進協会)の全国のスクールで受講できます。

「DRONEフライトオペレーター操縦技能証明」にはBASICコースとADVANDEコースの2つのコースが設けられており、それぞれ講習内容と費用が異なります。

BASICコースで55,000円、ADVANCEDコースで99,000円と、こちらも非常に良心的な価格設定が魅力です。

ただし「スクールでのコースを修了した時点で資格が取得できるわけでない」と言う点に注意しなければなりません。

国土交通省の認定資格を得るためには、10時間以上の操縦経験を証明する必要があります。

しかし、スクールのコースで実際に操縦ができるのは大体7時間ほどのため、足りない時間は自主練習により補わなければなりません。

スクールの通い講習と試験を受けただけでは資格がもらえない点はきちんと覚えておきましょう。

ドローンスクールに通う3つのメリット

ドローンスクールに通う3つのメリットの画像

ドローンの操縦には、現状資格や免許の取得は義務づけられていません。

そのため趣味でドローンを利用するのであれば、法規制を守って独学で練習を重ねることも可能です。

ただしビジネスとして利用したい場合には、スクールに通い講習を受けるのがおすすめです。

ここからはドローンスクールに通うメリットについて解説します。

ドローンスクールに通う3つのメリット
  1. ドローン操縦に関する資格が取得できる
  2. 経験豊富なインストラクターに指導してもらえる
  3. ドローンを操縦する場所が確保できる

1つずつ順番に解説します。

1.ドローン操縦に関する資格が取得できる

ドローンスクールに通う最も大きなメリットは、指定のコースを受講することで民間資格が取得できる点です。

昨今、ドローンはさまざまなシーンに利用されるようになり、ドローン操縦のニーズも高まっています。

反面ドローン操縦士の数も増えており、ドローンを使用した職業へ就くための競争率も高まっています。

そこでドローンスクールに通い民間資格を取得していると、ドローン操縦の知識や技術の証明となり非常に有利です。

また、ドローンの民間資格には種類がいくつかありますが、どれも2日~4日ほどで取得可能なため比較的すぐに資格が取得できます。

他にも民間資格を保有していると、ドローン飛行の許可申請が一部免除されるため、手続きが簡素化されるのでおすすめです。

2022年12月5日からドローン免許が国家資格化されましたが、その際にも試験の一部が免除される可能性があるため、免許制度が導入される前に民間資格を取得しておいても決して無駄にはなりません。

2.経験豊富なインストラクターに指導してもらえる

ドローンスクールに在籍するプロインストラクターに、直接操縦スキルを指導してもらえるのも、ドローンスクールに通う大きなメリットです。

個人で自主練習を重ねるよりも、ドローン操縦も人材育成でも経験豊富なプロに教わった方がはるかに上達も早く、正しい技術と知識を習得できます

独学では誤った知識や操縦技術に気付かず、場合によっては良くない癖が付いてしまうこともあります。

その点ドローンスクールにて早い段階でプロに技術指導してもらうことで、最速で正しい技術を身につけられるだけでなく、ドローンに関するさまざまな情報を直接聞ける点も魅力です。

3.ドローンを操縦する場所が確保できる

ドローンの操縦を自主練習しようと思っても、意外にもドローンを操縦する場所がないことに驚く人も多いと思います。

ドローンを操縦する場合、開けた大きめのスペースが必要となりますが、公園や空き地・河川付近などは条例などでドローンの飛行を禁止している場合も多くあります

ドローンスクールではドローン操縦の練習に適した広い操縦スペースが用意されているので、接触事故等の心配なくドローン操縦の練習に集中できます。

料金以外のドローンスクールを選ぶ際のポイント

冒頭でも解説したとおり、現在は多くのドローンスクールでドローン操縦に関する知識が学べます。

しかし、各スクールにより学べる内容や受講料が大きく異なり、どこのドローンスクールに通うべきか迷ってしまいます。

そこでここからは、料金面以外でのドローンスクールを選ぶポイントを解説します。

ドローンスクールを選ぶポイント
  • 無理なく通える場所とスケジュール
  • 講師の経歴と人数
  • 使用機体の種類

順番に解説していきます。

無理なく通える場所とスケジュール

ドローンスクールで用意されているコースは、内容により数日にわたりスクールへ通うこともあります。

1日で終了するコースの場合はそれほど気にしなくても問題ありませんが、しばらく通う場合は通いやすい場所を選ぶのもポイントです。

各スクールにより平日終業後にコースを開設している場合や、週末を利用してドローンの操縦が学べるコースなどさまざまなパターンがあります。

どのような技術や資格を目指し、どんなスケジュールのコースを選ぶかで必然的に通いたいスクールが絞られます。

まずはドローンスクールに通う目的を明確にしてみましょう

講師の経歴と人数

ドローンの普及につれ、ドローン操縦の習得や民間資格の取得を目指したいと考える人は増加傾向にあります。

それに伴い、現在日本全国でドローンスクールも増えていますが、現場経験の豊富なドローンインストラクターはまだまだ貴重な存在です。

ドローンスクールの講師になるには明確な資格がないため、誰でもドローン操縦の講師になれてしまいます。

ドローンスクールを選ぶ際にはスクールのウェブサイトやパンフレットなどから、実際に操縦技術を教えてもらえる講師の経歴をチェックしておくと良いでしょう。

また、スクールに通いドローン操縦を学ぼうと思っても、生徒の数に対して講師の人数が十分でないと充実した指導が受けられない場合もあります

「実地講習の受講者の数は、一人の講師に対して、おおむね五人以下であること」とガイドラインでも定められています。

具体的に受講してみたいコースがある場合は、スクールの受講者に対して講師が何人いるのか確認しておくのがおすすめです。

使用機対の種類

ドローンスクールで使用される機体のチェックも重要です。

ドローンスクールでは講習の際にドローンが用意されているケースと、自分のドローンを持ち込んで講習を受けるケースがあります。

特にスクール修了後に実際にドローンを用いて仕事をする人は、自分のドローンを持ちこめるコースか、その機体に近いものを使用して実習を受けられるコースの方が習得後すぐに活かせるためおすすめです。

全く違う機体のドローンを使用する場合は操作性の微妙な違いから、改めて時間をかけて自主練習しなければなりません。

時間と費用をかけてスクールに通うのであれば、使用予定の機体かそれに近い機体で実習が受けられるのか、あらかじめチェックしておくと良いでしょう。

まとめ

2022年12月より国家資格化されたドローン操縦免許の費用については、各登録講習機関の公式サイトで確認できます。

民間資格を取得しておくことで、費用面で優遇される可能性があり、その場合は取得費用の分散効果が得られるでしょう。

また、試験に関しては既に民間資格を取得している「経験者」とドローン操縦が初心者の「初学者」で講習の最低受講時間に大きな差があることが明確になっています。

この記事でも民間資格が取得できるスクールをいくつか紹介しましたが、費用や受講内容は各民間資格によって異なります。

自分にとって必要なドローン操縦資格をよく考え、国家資格免許を取得する前にまずは目的に合った民間資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。