ドコモのドローンショーとは?ドコモのドローン事業とドローンショーを紹介
携帯キャリア最大手のNTTドコモが、実はドローンショーを各地で開催しています。
ドローンショーとはコンピューター制御によって複数のLEDライトを搭載したドローンを動かし、企業のPRやアニメーション、QRコードを流してアピールできる近年注目のエンターテイメントイベントです。
ドコモは通信事業者としての自社技術を生かし「空の道で、ミライをつなぐ」をコンセプトに、ドローン事業の展開を始めました。
この記事では、ドコモのドローンショー事業について紹介します。
- ドコモのドローンビジネスdocomo skyの概要
- 過去のドコモのドローンショーを紹介
ドローンショーの流れ
1.お問い合わせ
2.ロケハン
3.アニメーション制作
4.許可申請
5.リハーサル
6.ショー本番
ドローンショーの開催については、下のボタンよりお気軽にお問い合わせください。
ドコモのドローンビジネスdocomo skyとは?
ドコモのドローンビジネス「docomo sky」は通信事業者として蓄積された技術とノウハウで、空から取得した情報をネットワークを通してドローンに活用し、問題の解決を目標にスタートしました。
具体的にドローン技術は、災害時の情報収集や物資輸送、建設現場や農業などの現場での作業支援、観光地での映像撮影などさまざまな使い方ができます。
「docomo sky」4つの特徴を、以下にまとめました。
- docomo sky Cloudによる一元管理
- 自律飛行技術が強みのSkydio社のドローンを使用
- モバイルネットワークを利用した「セルラードローン」
- ドローンショーや農業への活用
上記の特徴からも「docomo sky」では、ドローンを安全・迅速に操縦するための技術開発や、ドローンを利用したビジネスのためのプラットフォームの提供などを行うことがわかります。
1つずつ解説していきます。
docomo sky Cloudによる一元管理
docomo sky Cloudとは、ドコモのドローンビジネスdocomo skyで使用できる一元管理プラットフォームのことです。
プラットフォームでは、飛行準備からデータアップロード、レポート作成やAIによる解析までクラウド上でトータル一元管理できます。
誰でも簡単にワンストップで使えるプラットフォームのため、さまざまな領域においてドローンビジネス活用をサポートしています。
docomo sky Cloud のドローン活用は、以下3種類があります。
- 運行支援
- ビジネス支援
- 解析支援
docomo sky Cloud の運行支援では、日時・場所・撮影対象物などのフライトプランを簡単に設計でき、安全な飛行を実現する手伝いをします。
また、ドローンのバッテリー残量や故障状況などの情報もリアルタイムに把握できるため、ドローン運航時の安全性向上につながります。
ビジネス支援とは、クラウド上にアップロードした撮影画像や動画データを一元管理し、取得したデータを自動で解析・レポート作成する機能のことです。
さらに解析支援では、自分のニーズに合わせてカスタマイズしたAIによるデータ解析ができるので、自分だけのデータを集め分析できます。
以上のようにdocomo sky Cloudを使えば、ドローン利用ビジネスの効率化や安全性向上、業務のデータ分析や改善などがすべて一括でできるため、作業時間の短縮と共にさらなるビジネス拡大のためのヒントが得られる仕組みになっています。
自律飛行技術が強みのSkydio社のドローンを使用
docomo skyでは、米国ドローンメーカーSkydio, Inc.(Skydio社)の自律飛行技術搭載ドローンを使用しています。
自律飛行とは「Skydio Autonomy」と呼ばれる上下6つに搭載されたカメラでAIが周囲360°を認識し、障害物を自律的に回避する技術のことです。
- 360°障害物回避を実現する自律飛行技術
- GPSが取得しづらい環境での安定飛行
- パイロット育成期間の短縮
- 橋梁、送電設備などのインフラ点検
- ガス、プラントなどの設備点検
- 室内空間での巡回、警備、点検
ドコモは、一元管理が簡単にできるdocomo sky CloudとSkydio社のドローンを合わせ活用することで、日本市場のドローン技術の検証と向上を目指しています。
モバイルネットワークを利用した「セルラードローン」
セルラードローンとは、モバイルネットワークを利用したドローンの飛行制御技術のことです。(セルラードローンはドコモの登録商標です。)
従来のドローンの飛行制御は専用のリモコンやGPSなどが必要でしたが、セルラードローンではモバイルネットワークによりドローンを遠隔制御できるようになりました。
つまりセルラードローンを使えば専用のリモコンやGPSは不要で、手軽にドローン操作可能になるということです。
- 高度な飛行制御
- ドローン同士の連携
- 精密な位置情報の取得
- 運用状況や映像のリアルタイム共有
- 長距離物資搬送
- 上空からの映像・データ伝送
セルラードローンの利用には、通常5Gなど高速・大容量なモバイルネットワークのカバレッジが必要ですが、ドコモは大手通信事業者のため問題なくセルラードローンの普及を推進できるのです。
また、ドコモではセルラードローンのオリジナルサービスとして、以下を用意しています。
- LTE上空利用プラン
- docomo skyセルラードローンパートナープログラム
LTE上空利用プランとは、上空で安全なモバイル通信を利用できるネットワークサービスです。
プラン詳細をまとめました。
サービス名 | LTE上空利用プラン |
月額料金 | 49,800円(税抜価格 45,273 円・2023年2月時点) |
利用可能データ量 | 120GB/月 |
通信速度 | 120GB/月までLTEの通常速度・120GB超過後は当月末まで送受信最大1Mbps |
通信可能エリア | Xi(LTE)提供エリアのみ、3G・5Gエリアは除く |
利用可能なデータ通信 | 国内のみ |
定期契約 | なし |
解約金 | なし |
LTE上空利用プランは、通信に必要な本プラン専用SIMと、利用時にWebで予約できるLTE上空利用予約サイトを提供するとなっています。
続いて「docomo skyセルラードローンパートナープログラム」は、プログラムに加入するとNTTドコモからセルラードローンに関するモバイルネットワーク関連支援、ソリューション連携や営業・プロモーションにおける支援を受けられる制度です。
docomo skyセルラードローンパートナープログラムは、ドコモが新しいビジネスの創出や社会課題の解決を目指す企業や自治体とドローンの開発や運用を共同で行い、新しい価値の創造を目的としています。
ちなみにdocomo skyセルラードローンパートナープログラムは、基本的に参加費用がかかります。
ただし、参加費用はパートナー企業ごとに異なるため、詳細はドコモ法人営業担当に問い合わせが必要です。(ドコモ法人営業担当お問い合わせはこちら)
プログラムに加入し以下の費用を払うと、すでに共同開発された他社の技術も利用できます。
プラン名 | docomo skyセルラードローンパートナープログラム |
docomo sky 医薬品配送パッケージ | トライアル2,500,000円〜/購入4,500,000円~(すべて税込) |
docomo sky広域災害対策パッケージ | トライアル1,980,000円〜/購入9,900,000円~(すべて税込) |
「docomo sky 医薬品配送パッケージ」は平時だけでなく、緊急時に薬局や医療機関から目的地へドローンを使って医薬品配送をしたい企業・自治体向けの内容になっています。
また、「docomo sky広域災害対策パッケージ」は、広域災害などで立ち入り困難な地域でも、ドローンによるリアルタイムの状況把握ができるというサービスです。
どちらもリーズナブルな価格ではありませんが、さまざまな企業の力を集結させドコモのドローン技術に活かすことで、災害時や緊急時問題解決のための新たな方法を見つける手段になると言えます。
ドローンショーや農業への活用
docomo skyでは、ドローンショーや農業でもドローンを活用しています。
docomo skyの農業支援は、主に以下の3つができます。
- 圃場の農作物の生育状態の空撮・画像分析・管理など(リモートセンシング)
- クラウドに蓄積したデータ分析を通じた、必要な作業の提案
- 必要なエリアへの農薬・肥料・水の自動散布
docomo skyによる実際の飛行風景動画を確認してみてください。
ドローンを使い赤外線空撮画像から農場を撮影し、農作物のNDVI (Normalized Difference Vegetation Index)と呼ばれるセンシングデータを取得するだけで、生育状態を簡単に把握できます。
docomoskyは上記図のように、スマートフォンでログイン操作するだけで、ドローンが自動的に飛行・取得したデータがクラウドに蓄積され、スマートフォンまたはPCからいつでも確認できる仕組みです。
NTTドコモではこの機能を利用し、蓄積したデータ分析を通じた必要な作業の提案システムや農薬・肥料・水を自動散布するオールインワン・サービス、スマート農機との連携が今後可能になると予想しています。
また、エンターテイメント事業としてドローンショーも開催しています。
2018年ドコモでは、全方位に映像を表示しながら空間を自由自在に浮遊できる世界初の「高解像度版浮遊球体ドローンディスプレイ(球体ドローン)」を開発しました。
これにより従来の浮遊球体ドローンディスプレイに、LEDフレームのLED搭載数と制御基板をさらに追加することで、従来の12倍超の解像度で映像演出が可能になりました。
この技術を利用したdocomo skyのドローンショーは、実写の映像やアニメーションコンテンツを会場で飛び回りながらアドバルーンのように広告を表示するといったような、リアルでダイナミック演出が見られると話題です。
ドコモのドローンショーを紹介
docomo skyが過去に主催し、好評だったドローンショーを紹介します。
- 光の思い出ドローンショー
- 第71回金沢百万石まつり 5Gドローンショー
ドコモのドローンショーは、世界初の高解像度版浮遊球体ドローンディスプレイ技術搭載ドローンを使用しクオリティが高いのはもちろん、通信事業者ならではのメッセージ性にあふれたイベント内容になっていて感動的です。
ここから動画をまじえて紹介します。
光の思い出ドローンショー
イベント名 | 光の思い出ドローンショー |
開催日時 | 2022年3月25日 |
ドローン台数 | 未発表 |
閉校を迎える東小川小学校の最後となる修了式後、児童・教職員・保護者・地域の方々がdocomo skyと協力し、校名や校舎がなくなってもつながり続けられるような思い出をつくるためドローンショーを企画しました。
思い出を振り返るナレーションに合わせて同校児童の愛称「ひがしっ子」の5文字からショーが開始され、ドローンが子供が肩を組むシルエットや最後の「アリガトウ」まで思い出をあらわす形と文字を次々と描き、観客に感動を与えました。
第71回金沢百万石まつり 5Gドローンショー
イベント名 | 第71回金沢百万石まつり 5Gドローンショー |
開催日時 | 2022年6月2日 |
ドローン台数 | 64機 |
第71回金沢百万石まつり 5Gドローンショーは、docomo skyと金沢市、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)の3社が「5G等の高度ICT技術を活用した地域資源の共創に関する連携協定」に基づき、5Gを活用した映像配信を表現したドローンショーです。
ドローンが金沢の観光資源を映像で表現し、金沢百万石まつりを盛りあげました。
以上のように、docomo skyが開催するドローンショーは従来のドローンショーと違い、観客によりメッセージが伝わる演出になっていることがわかりました。
まとめ
ドコモが提供するドローン事業docomo skyは、以下のような特徴があります。
- ドローンで運行支援・ビジネス支援・解析支援を行っている
- 「docomo sky Cloud」による一元管理でドローンビジネスの作業時間の短縮とビジネス拡大が見込める
- 自律飛行技術のSkydio社ドローンを使用し高性能な演出ができる
- モバイルネットワークを利用した「セルラードローン」で手軽な遠隔制御が可能
- 自治体や企業と共に技術の開発や運用する「docomo skyセルラードローンパートナープログラム」がある
- 農業やドローンショーにドローンを活用し成果を上げている
- 通信事業者ならではのメッセージ性の強いドローンショーを得意としている
ドコモは、大手通信事業者であるメリットを活かしドローンショーだけでなく、さまざまなドローンビジネスを展開しています。
今後ますますドコモがドローン活用ビジネスを展開し、ドローンが社会問題解決に貢献する未来が広がることを期待しましょう。